何年も住んでいるのに、一向に「都会」に慣れることが出来ない。
「自分はいつも周囲からズレている」というコンプレックスを持ち、
「皆の考えていることが分かったらいいのに」と思っていた。


とあるきっかけで、彼の周囲が突如「ミュージカル」を始めてしまったのだ。
友人、友人の彼女、後輩、母親、新聞勧誘の男、喫茶店のマスターから見知らぬ男まで、
唐突に芝居がかり、歌い、踊り始める。一体なぜ、こうなってしまったのか?
当然ミュージカルに参加することができず、またしても周囲とのズレを認識する敦。
自分にとっての「普通」は、なぜいつも周囲の「普通」とズレてしまうのだろうか。


彼女は彼が初めて出会った、「ミュージカルをしない人間」だった。
彼女が歌わない理由は一体何なのか?彼女が抱える「問題」とは?
そして敦にかかった「ミュージカル」の魔法はいつ解けるのか?
時折、ギャグやユーモアを交えながら、
「テキトー」に世の中を渡ることができない不器用な男の成長を描く。
TOP▲


本作、主演は俳優の仲田天使。主役オーディションを突破し、その座を射止めた彼は「主人公なのにミュージカルから完全に孤立する男」という一風変わった役柄を、見事に演じきっている。ヒロインはドラマ『臨死!江古田ちゃん』(NTV)にレギュラー出演、鳥居みゆきとの共演が話題となったばかりの女優・阿久澤菜々。その周囲を「研一郎映画」の常連・小松利光や、早稲田映画きっての名優であり「映画まつり」グランプリ獲得者でもある渡部直也らが囲み、さらに『絶対零度〜未解決事件特命捜査〜』(CX)や映画『踊る大捜査線THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』出演など目覚ましい活躍を見せる俳優・札内幸太(jungle)、ミュージカル『Grease』主演の森麻衣子、ジョニー(スーツケースカンパニー)らが出演。個性溢れる役者陣が、作品を華やかに彩っている。

本作では、映画『ツレヅレ』で兄弟の絆と崩壊、その顛末を繊細かつユニークなタッチで描いた鈴木研一郎が、宮川鉄平(撮影監督)と二人三脚で制作を進行。鈴木のユーモアに富む演出と、他のプロにも絶賛される宮川のカメラワークが描き出す映像美が絶妙に絡み合い、「主人公だけがミュージカルに参加できない」不思議な世界を創り上げた。

また作品のテーマのひとつとして、近年患者数が急増し知名度を上げている精神疾患、『パニック障害』を取り上げている。作品を通し、より多くの方々に『パニック障害』を知ってもらうことを目的にすると同時に、「現代社会で生きる」ということに対して疑問を投げかける。


TOP▲
Copyright (C) SUZUKI KENICHIRO. All rights reserved.
このHP内に記載されている内容の著作権は全て鈴木研一郎、及び関係する団体・個人に帰属します。
無断転載等はご遠慮ください。